“呼吸の変化”老衰による死の直前のバイタルサイン

介護・暮らし

こんにちは、べいるです。

10年前に他界した私の祖父は、特別養護老人ホームにおいて死の直前までお世話になりました。

いわゆるターミナルケアですね。

祖父はレビー小体型認知症でしたので、家族だけの介護は困難であり、老人ホームでのターミナルケアは家族の総意でもありました。

最後は親族も順番に駆け付け、看取ることができました。

日本人の死ぬ場所は、昔は自宅で亡くなるケースが圧倒的に多かったのですが、現在は7割以上の方が病院で亡くなっています。

これは、医療が進歩したことによって病院で死を迎えるケースが多くなったとも言えますし、本人や家族の希望、意識の変化といった面もあると思います。

いずれにしても、介護(自宅、施設又は病院)の最終局面においては、死を迎えるものです。

人生を全うし・・家族に看取られながら・・旅立つ・・これが理想と言えます。

今回は、終末期の介護の最終局面である“死”・・・この死を迎える際に訪れる“死にゆく人の身体の変化”について触れ、特に終末期のバイタルサインや、死の直前に現れる呼吸の変化について説明します。

終末期のからだの変化

終末期とはどの時期?

終末期とは、治療を行っても回復する見込みがなく、死が間近に迫った時期を指します。

一般的には余命6か月未満と医師より診断された時期をいうようです。

実際の介護の現場では2か月くらい前に、何とも言えない変化を感じたりします。

『あれっ、〇〇さんごはん食べないな。』

『あれっ、〇〇さん寝てる時間が長いな』

など、はっきりとしたものではありませんが、いつもと違う変化が現れます。

ターミナルケアって何?

終末期の介護のことをターミナルケアといいます。

終末期には、様々な苦痛を抱えやすくなります。

身体的な苦痛や精神的な苦痛のほか、社会的、更にはスピリチュアルな苦痛を抱えることもあります。

ターミナルケアでは、そのような中でも、本人の意思を尊重し、生活の質を重視しつつ、死が迫っている人の不安と苦痛をできるだけ小さくし、最後まで尊厳のあるケアを行っていくことが求められています。

終末期のバイタルサインの変化(死の直前まで)

さて、人は終末期を迎えるとどのような身体の変化が現れるのでしょう。

✅呼吸が不規則になり、浅い呼吸に変化する

✅手足が冷たく、青白くなる

✅脈拍のリズムが乱れ、徐々に触れにくくなる

✅血圧が下降し、測定しにくくなる

✅呼んでも反応が小さく、ほとんど動かなくなる

✅チアノーゼがみられ、特に唇や爪の粘膜が暗青色となる

※チアノーゼとは、血液中の酸素の減少により、皮膚などが暗青色になることです。

個人差があり、すべて出現するわけではありませんが、これらの変化が終末期にはみられます。

さらに、死の直前である2日以内になると、一日中ウトウトして反応が一層薄くなったり手足が冷たくなってチアノーゼが唇や手足にも現れたりします

脈拍も徐々に低下呼吸も不規則で特徴のある呼吸へと変化します

呼吸の変化

私は、冒頭で説明した認知症の祖父とは別の、もう一人の祖父の最後も看取りました。

危篤の連絡を受け、祖父のところに駆け付け、親族間で順番に祖父に付き添っていたのですが、私が付き添っていたときに、祖父の呼吸が突如変化しました!

深夜でしたがそのとき、顎がガクガク動き、呼吸音も明らかに変わりました。

いよいよ最後なのかと覚悟しましたし、やはりその後に息を引き取りました。

その時は知識がありませんでしたが、今思えば下顎呼吸だったのではないかと思います。

では、死の前に現れる呼吸の変化について、一歩掘り下げて説明します。

死の直前、呼吸は

✅肩呼吸(息をするたびに肩も動く)

✅鼻翼呼吸(小鼻が開く)

✅チェーンストークス呼吸(30秒ほど無呼吸→浅い呼吸→深い呼吸)

✅下顎呼吸(下顎がガクガク動く)

といった顕著な変化が現れます。

因みに呼吸の変化により、苦しそうな表情に見えますが、このような呼吸の変化は自然の変化で、苦しさの表れではないそうです。

なので、皆さんがもし看取りの現場に居た場合には、周囲の人にもそう伝えてあげてください。

まとめ

今回は、終末期のバイタルサインや呼吸の変化についてお話しました。

自宅や施設、病院を問わず、介護の現場において終末期に関する知識は必要なものです。

誰しもが関わりのある内容なので、参考にして頂けたらと思います。

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