介護の落とし穴!奪っちゃ駄目だよADL

介護・暮らし

今回は介護をするときに“どこまで介助するべきか”についてお話します。

皆さんの周囲に介護を必要とされる方はいらっしゃいますか。

私の自宅には要支援1の実父がおり、週に1回デイサービスに通っています。

普段は杖をついたり、物に掴まってゆっくりとしか歩けません。でも、買い物も行きますし、料理もします。

また、祖母は要介護1で、現在、有料老人ホームに入所しています。認知症はありますが、足腰はしっかりしていて、毎日職員の方の安否確認などを受けながら、2日に1回入浴しつつ、祖母もまた自立・自律しています。

10年前に他界した祖父は、レビー小体型認知症でした。徘徊もあり幻覚・幻聴症状もあって家族は大変でした。その後、特別養護老人ホームに入所し、そこでターミナルケア(終末期の介護)までお世話になりました。

このように、介護というのは、今の時代を生きる私たちにとって当然訪れるべき身近な事柄です。

おそらく多くの方が介護は身近若しくは生活の一部といった状況にあると思います。

今回説明する内容は、ご自宅でご家族の介護をされている方にとって、意外と把握できていない盲点となっている事柄ですので、是非読んで参考にして頂けたらと思います。

介護の落とし穴

高齢化がすすむ中で介護は多くの方にとって生活の一部となっています。

たとえあなたに介護経験がなくても、その時がくればやらなければなりません。

実際のところ、介護というのは経験が無くても自分なりの方法で行うことは可能です。

様々な工夫を凝らしながら介護を行っている方は本当に多いですが、一方で間違った考え方で介護を進める方もいらっしゃいます。

もし、間違った考え方で介護を進めてしまうと、相手の大切な能力を急速に奪ってしまう可能性があるので注意が必要です!

ADLとは

ADL(Activities Daily Living)という言葉があります。

これは、「立つ、座る、歩く、手でつかむ、入浴する、排泄する、食事をする」といった人が普通の生活を行っていく上で必要な最低限の動作を示しています。

これを言い換えれば「日常生活動作」ともいいます。

ADL(日常生活動作)がスムーズに行えるのであれば、介護を受ける必要はありません。これがうまくいかないために、介護が必要なのです。

そして、このADLに関連し、自宅での介護には「大きな落とし穴」が潜んでいるのです。

進む生活不活発病

ではここでちょっと質問です。

ひょっとしたらこのような介護をしていませんか?

✅本当は福祉用具を使用しなくてもいいのに時間短縮のため福祉用具を利用している

(EX.歩けるにも関わらず車いすを利用する)

✅不自由なく動かすことができる身体の部位まで介助をしている

(EX.手は動くのに顔を拭いてあげる)

✅気を利かせすぎて「〇〇さん、あれやってちょうだい。」などと言われるようになり、まるでお手伝いさんのようになっている

(EX.本当は自分でもできるのに頼り過ぎになっている)

✅自分自身でやろうとしているのに、介護する側が待つことができず、つい代わりにやってしまう

(EX.時間をかければ食事は自分一人で摂れるのに、時間の都合上、食事介助をしている)

ご自宅での介護では色々な事情が交差し、一筋縄ではいかないケースも多いと思います。

しかしながら、上の質問に該当するなという方は知らず知らずに相手のADLを奪っている可能性があります。

即ち、できることまで全部支援してしまうと、本来動かすことができる身体の部位まで動かなくなって日常生活動作を行うための能力を奪ってしまうのです。

その結果、身体のみならず、心理面でも気力を失わせてしまい、心身共に機能の低下を招いてしまうのです。

これを生活不活発病といい、介護する側がきちんと意識していないと簡単に進行させてしまいます。

例えば右半身麻痺で左半身は自由に動かせる方を車いすに移乗させる場合、右足のお手伝いをしつつ、つい流れで左足もお手伝いしてしまいます。

しかしこれが積み重なれば、左側の筋力が次第に低下し、ひいては生活不活発病へと突き進んでいくのです。

良かれと思って介助する場合もあれば、時間短縮のために介助する場合もあると思いますが、やり過ぎはマイナスになるということです。

これが介護の落とし穴という訳です。

まとめ

説明したように、介助のやり過ぎがADLの低下を招くといった実態があります。

そうはいっても、実際に介護する場面になれば、自身の介助能力もありますし、相手の状況も毎日違います。そういった中ではついついやり過ぎてしまうこともあるかもしれません。

しかしながら、そこは意識して踏みとどまることが肝要です。

人の身体は使わなければ瞬く間に衰えてしまいます!介護する人の意識ひとつで、生活不活発病になるか、ならないかが決まってくるのです。

大変だとは思いますが、その人の身体機能や心理・社会面を踏まえ、どのような介助が求められているのかを確認し、生活不活発病にならないよう意識し、“やり過ぎない介護”を推し進めて頂けたらと思います。

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