こんにちは、べいるです。
刑事ドラマって警察組織の中で刑事が偉い感じで描写されていますよね。
ドラマの中では、交番の制服警察官が刑事課員にペコペコするシーンをよく見ますし、少なくとも刑事課員より交番のお巡りさんが偉い感じの描写は見たことがありません。
あと警部補というのも偉いイメージがありますよね。
古畑任三郎なんかは警部補でしたが、今泉君のおでこをペチペチ叩いていました。
偉いイメージのある刑事や警部補、この両者の警察組織内での位置づけは?

私は現役時代に「刑事と警部補はどっちが偉い?」という質問を受けたことがあります。
確かに、一般の方からすると分かりにくい面があるようです。
という訳で今回は、警察の部門や階級に触れながら「刑事と警部補どっちが偉い?」という質問に回答しようと思います。
刑事は部門で警部補は階級
刑事は部門
刑事って警察の代表的な位置づけのようですが、実は警察業務のほんの一部です。

警察部門は刑事、生活安全、交通、警備、地域、総警務といった具合に多岐に分かれ、それぞれの部門がちゃんと機能してはじめて治安の維持が図れるのです。
どこかの部門が力を落とすと、それがそのまま社会問題化するでしょう。
刑事部や生活安全部が弱ければ事件が増えますし、交通部が弱ければ事故や飲酒運転が多発します。
警備部が弱ければテロや暴動が起きたり、災害への対応が疎かになるでしょう。
地域部が弱ければ初動措置の遅れから、110番通報しても中々警察が来なくて警察活動の機能が半減すると思われます。
つまり、きれいごと抜きでどの部門も同じように大事なのです。

ここで各部門の人数の割合に触れておきますと、各都道府県においては地域部の人数が一番多いです。
つまり、私たちがよく見かけるパトカー乗務員や交番のお巡りさんが警察組織の中で一番多い人数の割合を占めているということです。
次に多いのが刑事部ですかね。次いで交通部、生活安全部、警備部、総警務部といった具合ではないでしょうか。
私も刑事経験はありますが、刑事については希望者が多く、また刑事部門の中でも1課(強行犯)、2課(知能犯、組織犯罪対策)、3課(盗犯)など細かく分かれ、それぞれが大所帯なので、地域警察に次いで多くの人数を占めるというわけです。

本題に戻りますが、ドラマのように実際に刑事が地域のお巡りさんより偉いかというと、そういうものではありません。
刑事事件の現場で力を発揮するのが刑事なので、刑事ドラマでは活躍し他の警察官より偉いように描写されていますが、それ以外の現場では力を発揮できません。
例えば、人身交通事故の現場に刑事課員が行っても、上手く処理することは出来ないでしょう。
もし事故の現場がドラマ化されれば、刑事課員が交通課員に頭を下げてお願いし、交通課員が偉いような描写になると思います。
という訳で、警察部門の中で刑事が偉いかというと、一概にそういう訳ではなく、刑事事件の現場では専門性の高さからリーダーシップをとって事件処理をするので偉く見えるということです。
万が一、実際の現場で刑事課員が制服警察官に命令口調で偉そうな態度をとっていたとします。
次の人事異動で、その刑事が地域の制服警察官に配属されたら、肩身の狭い思いをするでしょう。ドラマと現実は違います。
警察の階級について
警察は階級社会であり、階級の種類はたくさんあります。
巡査、巡査長、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視長、警視監、警視総監といった具合に10の階級があり、上になるに従って人数が小さくなります。

階級構成は、きれいなピラミッド型ではなく、警部補までは比較的人数が多く、警部から急に人数が減ります。
因みに、地方公務員がたたき上げで登れる階級は警視長までで、大多数の人は巡査部長や警部補の階級で定年退職を迎えます。
昇任には選考的な要素で昇任する階級もあれば、競争試験により昇任する階級もあり、昇任試験制度は都道府県によってマチマチです。

ここで確認したいのは、先ほど触れたそれぞれの担当部署(刑事、生活安全、交通、警備、地域、総警務)に各階級の人がいるということです。
刑事課には巡査もいれば警部補もいます。もっと上の警部や警視の階級の人もいます。
地域の制服警察官も同様に各階級の警察官がいます。
つまり、各部ごとに階級のピラミッドがあるということです。
刑事と警部補どっちが偉い?に決着
これまで説明したことを踏まえると「刑事と警部補どっちが偉い?」問題に決着がつくのではないでしょうか。
そもそも論でバッサリと申し上げるならば、部門と階級は異なるカテゴリーなので比較対象にならないのというのが答えです。
ですが冒頭で問題提起したのは私です。
なので、ちゃんと回答するとすれば
✅部門に関係なく、階級が上の人が偉い
✅ただし、それぞれ専門分野があるので、現場によって専門性の高い人がリーダーシップを発揮する
というのが答えになります。
まとめ
今回は警察組織の部門と階級について、「刑事と警部補はどっちが偉い?問題」を解きながら説明しました。
そもそも階級と部門の別があるので比較対象にならないというのがオチでしたね!
とは言え、警察組織について少し分かった部分があるのではないでしょうか。
今回の説明を参考に、刑事ドラマを見てもらえると違った見方ができるかもしれませんね。
【参考】生活安全課に関する記事は⇩コチラです。
【参考】駐在所と交番の違いに関する記事は⇩コチラです。
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