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民法改正で賃貸借契約での個人の連帯保証人は極度額を設定するように!

投稿日:2019年11月9日 更新日:

今回は、平成29年に成立し令和2年4月1日に施行される民法改正について説明します。

ところで皆さん、民法が制定されたのはいつかご存じですか?

明治29年です。この年は第1回五輪がアテネで開催された年でもあります。

民法が制定されて約120年間、一度も契約に関する抜本的な改正が行われたことはありませんでした。

しかし、社会や経済が大きく変化し対応しきれていないため、今回初めて契約に関するルールが抜本的に改正されました。

初めてというのは驚きですね。

この記事ではその中で、賃貸借契約時の個人の連帯保証人に極度額が設定されましたので、その部分を重点的に話していきます。

🔷民法改正での賃貸経営に関係ある内容について

今回の改正で賃貸経営に関する内容としては

①個人保証における極度額の設定

②現状回復ガイドラインの明文化

③貸室設備一部滅失による賃貸減額

④借入人の修繕の権利

があります。

今から①について説明しますが、その前に②の「現状回復ガイドラインの明文化」についても少し触れておきます。

 

賃貸住宅の退去時の現状回復については、大まかにいうと「賃貸人負担は通常損耗・経年変化、賃借人負担は故意・過失による損傷」という国土交通省が定める現状回復ガイドラインがあります。

ただし、これについてはあくまで目安として運用されるに留まっていました。

 

しかし今回の改正で改正民法第621条に規定ことにより現状回復ガイドラインの明文化が行われたのです。これで、改正民法を根拠とした現状回復費用の算定が可能となりました。

↓現状回復ガイドラインに関する内容は別記事でまとめています。

どこまで支払う?賃貸住宅の現状回復費用


🔷個人保証における極度額の設定

では①の説明にうつります。これまでは、家賃保証会社でも個人の連帯保証人でも極度額の設定は不要でした。

しかし、民法改正後には、個人の連帯保証人は、極度額を設定しなければ金銭債務を負わないこととなったのです。

つまり、極度額を設定しなければ、連帯保証人の保証契約が無効になってしまうのです。

 

ここでいつくか疑問が生じると思いますので、確認します。。

Q1.現在の保証契約も来年の4月1日を過ぎると無効になってしまうんですか?

無保証になることはありませんし、契約をやり直す必要もありません。

ですが、4月1日以降に契約を更新する場合は、改正民法が適用される場合があるそうです。

 

Q2.改正民法が適用されるのは契約日?契約開始日?

契約開始日です。

なので、契約期間が令和2年4月1日からであっても、令和2年3月31日までに賃貸借契約を締結していれば現行民法が適用されます。

 

Q3.実際に極度額はいくらに設定すればいいんですか?

物件(賃料) 平均値 最大値
 

家賃責務保証業者に対する損害額

4万円

~8万円

28.2万円 346.0万円
8万円

~12万円

50.0万円 418.6万円
12万円

~16万円

71.2万円 369.3万円
16万円

~20万円

97.3万円 478.5万円
連帯保証人の負担額(裁判所の判決) 13.2か月分 33か月分

公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会資料「新たな時代で変わる賃貸住宅市場と国土交通行政の最新動向」から抜粋

 

この表は、国土交通省住宅局住宅総合整備課「極度額に関する参考資料」を基に作成されたものです。

なので、検討項目として「滞納賃料」、「現状回復費用」、「自殺があった際の減額賃料」の3点を踏まえつつ、この表の具体的金額を参考に設定するとよいでしょう。

🔷まとめ

今回は、民法改正の中で個人の連帯保証人の極度額設定に関する話をしました。他の改正点については別記事で紹介しています。

いよいよ迫ってきた民法改正・・・準備を粛々と進めて頂けたらと思います。



-不動産

執筆者:


  1. より:

    勉強になりました❗

    • べいる より:

      成さん、いつもコメントありがとうございます。
      ちょっと難しかったのではないでしょうか。マニアックな分野ですみません。

  2. マコリン より:

    現実的には保証会社を使用する事が多いと思いますが 仮に貸家が事故物件になった場合は保証会社は多分保証しませんよね。家賃以外は保証しないのかなぁ。

    • べいる より:

      マコリンさんコメントありがとうございます。保証会社利用は多いですね。高齢化、外国人の増加でますます増えるでしょうね。

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