こんにちは、べいるです。
皆さん、任意提出書を作成し警察等の機関に対し、所有物、保管物又は所持物を提出したことはありますか。
一番身近なパターンとしては、防犯カメラ映像を警察に提出する場合などが挙げられます。

警察が証拠物を入手する行為を押収といいますが、押収方法には「任意提出を受ける場合」のほか、「差し押える」といった手段もあります。
押収方法には2パターンあるようですが、この違いは何でしょう?
今回は、捜査機関の証拠物押収手段である「任意提出」と「差押え」の違いについて説明します。
2つの押収方法
任意と強制の違い
さて、冒頭で説明した「任意提出」と「差押え」ですが、この違いは任意か強制の違いです。
任意提出は、任意提出権者である所有者、保管者、所持者が任意提出書を作成し、任意で捜査機関に証拠物品等を提出する措置になります。

即ち、提出することを承諾した上で任意提出書を作成し、捜査機関が領置するもので、拒否することも可能です。
一方で差押えは強制措置です。
一般的なケースとして、家宅捜索などで証拠物を差押える行為などがあります。
これは、捜査機関が裁判所から捜索差押許可状の発付を受けて、捜索を行って証拠品など探し出し強制的に押収する行為をいいます。
「提出したくない!」と言っても強制措置なので拒否することはできません。
【参考】家宅捜索については⇩コチラにまとめています。
任意提出と差押えの効力は同じ
任意提出と差押え、証拠として価値などに違いはあるのでしょうか?
差押えの方が強制措置なので証拠価値が高そうなイメージがありますが、効力は同じです。
差押えの方が、裁判所から令状の発付を受ける手間がある分、捜査機関が大変になりますが。。

つまり、押収の手段が任意か強制かの違いなだけで、証拠能力、証明力の違いはありません。
敢えて言うなら、任意提出の任意性が確保できていない場合には、裁判で証拠能力が否定される可能性があるくらいです。
いつ返してもらえるのか?
捜査に必要がなくなったら返して貰えます。

裏を返せば、捜査に必要な状況下では裁判が終わるまで返して貰えない場合もあります。
仮に、携帯電話などを押収されたがために経済的に不利益、損失が生じたとしても、捜査に必要と判断される場合で、警察等が故意に返却を遅延させているなどの不適切な事情がない場合には、損失等の補填は認められないでしょう。
まとめ
今回は任意提出と差押えの違いになどについて説明しました。
任意と強制の違いがあるだけで、証拠としての価値・能力は同じです。
あまり馴染みが事柄だと思いますが、今後、警察に任意提出を求められる機会ぐらいはあるかもしれません。
その時はこの記事を思い出し頂き、手続きの意味を解釈するのに役立てて頂けたらと思います。
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