こんにちは、べいるです。
私が以前生活安全課の係長をしていたとき、月に1~2回のペースで管内の認知症高齢者が行方不明となり大がかりな捜索を行っていました。
実は、皆さんが住んでいる地域でも多くの高齢者行方不明事案は発生しています。
防災無線や手配メールで行方不明情報が流れたり、「探しています」と記載された手配書が掲示されている事案は、探したけどいよいよ見つからない場合であって、小規模な行方不明事案はもっと頻繁に発生しているのです!

超高齢化社会を迎えるにあたって、この種の事案は本格的な社会問題となり、深刻化していくでしょう。
厚生労働省のデータによれば、日本の高齢者率は増加し、2025年には認知症又はその予備軍の人が700万人を超えるそうです。
この数字は、街に出かけると駅やデパートで認知症等の方にしばしば出会うようなレベルです。
【参考】認知症に関する内容は⇩コチラです
そういった現状においては、もはや徘徊高齢者の行方不明事案は他人事ではなくなっています。
という訳で今回は、ご家族がとるべき行方不明事案の事前対策について説明します。
Contents 目 次
普段から準備しておこう!
【行先を把握しておこう!】
まず基本となるのが、立ち回り先を把握しておくことです。

いざ、居なくなって探そうと思ったとき、ただやみくもに探しても非効率的ですし、普段の立ち回り先が分からなければ、ただ時間だけが過ぎていきます。
普段行く場所に座り込んでいるかもしれません。いつも寄るお友達の家にお邪魔しているのかもしれません。
とにかく、ご家族である程度立ち回り先を把握しておくことは大切なことです。
居なくなったと思っても、普段立ち寄っている先に長居していて見つかるケースは多々あります!
事前にしっかりと行先を把握しておきましょう。
【GPSが1番】
居なくなって探すならGPSが便利です。普段からスマートフォンを携帯してくれるような高齢者の方であれば、ストラップなどをつけて、GPS機能をONにして持ち歩いてもらうとよいでしょう。
ですが「携帯は持ち歩かない!」という高齢者の方もいらっしゃいます。

そういった方には靴に埋め込み式のGPSがありますし、その他、色々なタイプのものが売ってあります。
また、GPSについては、市町村で貸し出しなどを行っているところも多いので必要な方は調べてみて下さい。
とにかく、私はこれまで何十回も高齢者の捜索に関わってきましたが、GPSで探すのが一番強いです!
【住所・連絡先が分かるようにしておく】
では、アナログに戻ります。徘徊中に声をかけられても、住所、氏名、連絡先が分からなくなるケースがあります。
そういったときは、せっかく保護されているのに、家人に連絡がいかず、探し続けるといった事態に陥ることになります。
ですので
✅普段持ち歩く携行品(バッグ・帽子・杖など)に連絡先を入れたり、はったりしておく
✅靴に氏名・連絡先を書いておく
✅シャツに氏名・連絡先を縫い付けておく
といった基本的な対策はしておきましょう!
また、参考ですが長野県内の自治体などでは靴のかかとに貼る認知症ステッカーを活用しています。
赤色のステッカーは「すぐに保護して!」
黄色のステッカーは「声かけをして!」
というメッセージだそうです。

認知症高齢者が徘徊している場合、一見して徘徊しているように見えません。
ただひたすら歩き続けているケースが多く、周囲の人から見れば散歩中の高齢者に見えるので、発見が遅れるのです。
そういった場合にステッカーの施策が自治体全体で共有されていれば、かなり有効ですね!
もし、あたなと自治体でこういった取り組みが行われているのであれば、ステッカーを活用されるとよいでしょう。
認知症高齢者が居なくなってしまったら
【まずは家の周囲や親戚の家を確認する】
では実際に高齢者の方がいなくなったらどうするのか・・・
まず、家の中や周囲をよく確認してください。過去には庭先に倒れていたケースもあります。
また、親戚や友人の家も確認しましょう。お邪魔していることもよくあります。それでも見つからない場合・・・

次はよく行く場所を確認してください。田んぼを見に行っていませんか?スーパーに行っていませんか?お墓に行っていませんか?
昔住んでいた家を思い出し、そこに向かっていたというケースもよくあります。
こういったところを速やかに確認する必要があります。
【警察に連絡し探してもらう】
探しながら同時に行って欲しいのが警察への通報です。

時間が経過し過ぎると、捜索範囲が広がるため、警察も早目に通報があった方が探しやすいようです
実際に警察が何処まで捜索してくれるかは分かりませんが、少なくとも手配はかけてもらえます。
警察内部の手配もあるのでしょうが、その他、防災無線や手配メールなどをかけてくれます。
防災無線はバカにはできません!この放送直後には、その地域の目が一斉に一人で歩いている高齢者に注がれるのです。
数名で探すよりかなり有効な手段ですし、防災無線経由で発見したケースを何度もみてきました。
「地域の目」は本当にすごい力です。
【足が丈夫だとすごく遠くまで歩き続ける】
あと知識として持っていて欲しいのは、足が丈夫なときは何処までも歩き続けるということです。

時間が経過していれば全く違う町で発見されるケースも結構あります
そうなってくると自力で探すのはお手上げですね。
足が丈夫な方の行方不明事案の場合、時間との勝負といった側面もでてきますので、速やかに警察等に通報する必要があるでしょう。
まとめ
もしいなくなった場合・・・ご家族の方は気が気じゃないと思います。
心労がさぞ大きいことでしょう。発見された後にも『今後どうするのか』という課題も残りますし、その答えは中々見つかるものではありません。
超高齢化社会を迎えるにあたり、今後、高齢者の徘徊という課題に直面する家庭が増えてくると思いますが、この記事を参考にして頂き、事前対策等をとって頂けたらと思います。
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