詐欺の成立要件は厳しい!詐欺と思っても民事上の債務不履行

防犯・防災

こんにちは、べいるです。

「お金を貸したのに返してくれない!!」「お金を貸した相手がいなくなった!」

「詐欺だ!!」というパターンってあると思います。

ですが、これは本当に詐欺なのでしょうか?

刑法の詐欺罪の成立要件は、実はハードルが高いのです。

警察に相談したけど、警察が動いてくれない!といった場合には、詐欺の成立要件を満たしていない可能性があります。

今回は詐欺の成立要件について説明します。

詐欺罪が成立するには

人を騙す意思と騙す行為が必要

刑法において詐欺罪を成立させるには色々と要件が厳しいです。

一見詐欺に見えても、成立要件を満たさない場合が多いのです。

簡単に言えば、詐欺の成立には次の工程が必要です。

①人(被害者等)に対して

②相手を騙す意思をもって

③相手を騙す行為をして

④財物等(お金やサービス)を受け取る

もっとかみ砕いて言えば

「最初からお金を騙しとる意思があり、人(被害者等)に何等かの嘘をついてお金を借りる」といった一連の流れが必要になのです。

ん?ん?当たり前。。。と感じるかもしれませんが、では次の場合は詐欺になるでしょうか?

①返すつもりで人(被害者等)にお金を借りた

②返済の目途がたたなくなった

③お金を返さずに逃げた

この場合、相手がお金を借りる際に「被害者を騙す意思が立証できない」「嘘をつくなど相手を騙す行為がない」ため、詐欺として認定されないでしょう。

返済の目途がたたなくなって逃げたケースで警察に相談に行っても難色を示されるでしょう。

この場合は、債務不履行となり、民事の範疇なのです。

因みに、上記の場合で、相手が名前や連絡先を偽ってお金を借りるなどしていた場合には、被害者を騙す意思があり、実際に騙す行為があるとして、詐欺として認定できるでしょう!

無銭飲食や無賃乗車

無銭飲食や無賃乗車は成立すれば詐欺罪です。

しかしながら、先に申し上げたとおり、最初から相手を騙す意思と行為が必要です。

仮に、財布にお金が入っていると勘違いして飲食や乗車を行ったものの、支払いのタイミングで気が付いてお金が支払えないという場合、、、これもまた詐欺ではないのです。

詐欺が成立しない場合

民事上の債務不履行

詐欺が成立しない場合はどうなるのか??

先程少しだけ触れましたが、民事上の債務不履行となります。

これは、刑法の詐欺で処罰されないだけであって、民事で訴えれば支払い義務は生じるでしょう。

ですので、そういった場合には、弁護士などの法律家を間に挟むなどし、民事での金銭の請求をすることとなります。

ひっかけ問題

では、最後にひっかけ問題です。

拾ったキャッシュカード(暗証番号判明)がありました

カードを落とした人になりすまして、ATMでお金を引き出しました

この場合は詐欺となるでしょうか??最初から騙す意思や騙す行為もありますね。

ですが、、、

答えは、詐欺にはなりません。

人ではなくATMという機械を騙しているので、詐欺が成立しないのです。

意地悪な問題です・・因みに窃盗罪が成立します。

もし、相手がATMではなく銀行員(人)であれば、人を騙すといった成立要件を満たすので詐欺罪は成立するのです。

騙されましたか 笑

まとめ

今回は詐欺の成立要件について説明しました。

ちょっと難しい内容だったのですが、詐欺に見えて詐欺ではない事象がたくさんあるのはお分かり頂けたでしょうか。

詐欺ではない場合、その多くが民事上の債務不履行に該当します。

民事の債務不履行では警察は動けないので、その場合には、弁護士などの法律家に相談しましょう。

【参考】刑事事件と民事事件については⇩コチラにまとめています。

刑事事件と民事事件の違いを簡単に説明!目的とハードルの高さが違います

【参考】還付金等詐欺ついては⇩コチラにまとめています。

還付金等詐欺の手口!15年間ほとんど変わっていない!

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