こんにちは、べいるです。
後ろ手錠って分かりますか?
身体の前ではなく、後ろで手錠をかける行為です。

これって警察24時などでもほとんど見かけませんよね。
手錠をかけるにしても、前手錠だと思います。
実際のところこれって許されるのでしょうか?
今回は後ろ手錠について説明します。
後ろ手錠について
後ろ手錠の圧倒的な拘束感
皆さん、後ろ手を組んでみてください。そして、そのまま手錠をかけられたと想像してみて下さい。

物凄い拘束感を感じると思いますし、実際に前手錠にはない圧倒的な不自由を感じると思います。
前手錠をされても、万歳はできますし、走ったりすることも可能です。
仮に転んでも手をつくことが可能です。しかし後ろ手錠だと怖くて走れません。
結論を申し上げますと、犯人を逮捕する場合でも後ろ手錠はまず許されないでしょう。
後ろ手錠は人権の侵害が大きく、権利の濫用行為として大きく問題視され、場合によっては逮捕手続における違法性が理由で無罪となるケースも想定されます。
なので、現場で後ろ手錠をすることはほぼありません。
手錠を使用できる場合
手錠をかけるケースで一番オーソドックスなのは逮捕する場合ですよね。
実際の現場では、逮捕状を用いて逮捕する通常逮捕の場合には、だいたい手錠をかけています。
しかし、現行犯逮捕など逮捕状なしでいきなり逮捕する場合には、相手が暴れなければ、現場で手錠をかけずに警察署に引致するケースの方が多いように思います。
勿論、かけても違法ではないのですが、暴れていなければ手錠をかけないケースが多かったですね。

警察官が現場で手錠を使用するのは、逮捕する場合のほか精神錯乱者等を保護する場合も想定されています。
精神錯乱者等を保護する法的根拠は警察官職務執行法第3条ですが、この規定に基づき即時強制、即ち強制力を用いて保護することが可能なのです。
つまり、被保護者が暴れて自傷他害が認められる場合には、手錠をかけて抑制することが可能ということです。
後ろ手錠が許される場合
因みに後ろ手錠が許される場合も存在します。
逮捕や保護の際に、相手が暴れて手に負えず、前手錠ではとても抑制できない!後ろ手錠してでも事象を鎮静化する必要があるといった場合です。

後ろ手錠をするしかないと社会通念上妥当だと認められる場合には、後ろ手錠は許されるということです。
難しい言い方をしましたが、要は、後ろ手錠をした理由を説明して、善良な第三者が「なるほど、そういうことなら後ろ手錠するしかありませんね。仕方がないですね。」と理解してもらえるような状況があれば、後ろ手錠は許されるということです。
ほとんどの場合、後ろ手錠は行われることはありませんが、このように許されるケースはわずかですが存在します。
まとめ
今回は後ろ手錠について説明しました。
実際の現場では後ろ手錠はほとんど行われていませんし、私も警察在籍中の17年間で1度も後ろ手錠はしていません。
仮に行われたとしても、当事者が相当暴れていて危険な状況がある場合でしょうから、社会通念上妥当なケースに該当し、違法性を帯びず裁判で争点になっていないものがほとんどです。
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